貧乏人でも生きれる中国

 中国ではピンからキリまで値段が違う。日本の理髪店は、せいぜい倍くらいしか値段が違わない。しかし、中国では10倍以上違う。理髪店は人件費と家賃が経費の大半をしめる。だから、家賃のいらない青空床屋は安い。なんと3元(45円)である。シャンプーはない、カットのみである。公園や歩道橋で営業している。屋根はあるけどドアが無い理髪店は5元(75円)、ドアがあるけどそれほど綺麗でない理髪店は10元(150円)、綺麗な理髪店は30元(450円)である。そして、金持ちを対象にした理髪店はカットだけだと100〜200元(1500円〜3000円)、パーマをかけて染めると1000元(1万5千円)にもなる。恐ろしいほどの価格差である。私の友達の旦那は30元の理髪店に行く。頭の形がいびつなので腕の良い理髪店じゃないとだめだという。私は10元の理髪店に行く。なぜ10元の理髪店に行くかと言うとシャンプーを30分もかけてやってくれる。頭をマッサージされる感じなので気持ちいいのだ。30元の理髪店はシャンプーは長くない。多分、30元の理髪店は中流家庭の人が来るので髪が汚れていない。しかし、10元の理髪店に来る客は髪が汚れている人もくるので念入りにシャンプーする。私は10元の理髪店に行く時は絶対に日本人とばれないかっこうをする。Tシャツに半ズボン、裸足にスリッパ、これならばれない。日本人とばれて得する事はない。中国人から見ると、日本人=金持ちなので、日本人とばれると必ず高いシャンプー液をすすめられる。どうせ、18リットル缶で買ってきたシャンプー液である、良いものとは思えない。シャンプー液が違うだけで10元から15元か20元になる。単価アップの口実なのである。私の普通語(中国の標準語をこう呼ぶ)はうまくはないが田舎の人が話すなまった普通語に聞こえるらしい。どこの田舎から来た中国人かと思われている。
 バスも2種類ある。安いバスは木の椅子でクーラーがない、初乗り1元(15円)である。高いバスは、普通の軟らかい椅子でクーラーが付いている、初乗り2元(30円)である。
 飯はと言うわけで、焼きそばを例にする。屋台の焼きそばが1元(15円)、 庶民のレストランだと3元〜5元(45円〜75円)、高級レストランだと10元〜20元(150円〜300円)である。味は、屋台と庶民のレストランは差がない。家賃のため値段が違うと言う感じである。やはり高級レストランになると味も違う。
 中国ではコーラのにせものが売られている。安いコーラーだなと思って買ったら味が違う。見かけは変わらないのに。中国の田舎ではにせもののコーラしか売っていない。中国の貧しい田舎では味よりも安いにせものコーラなのだろう。
 中国では日本と比べものにならないほど賃金格差も大きい。田舎の工員だと600元(9千円)、都会の工員だと800元(1万2千円)、都会の事務員だと1500元(2万2500円)、都会の課長クラスだと3千元〜5千元(4万5千円〜7万5千円)である。以前は都会の工員と田舎の工員では倍の賃金差があったが今は緩和されてきた。
 このように賃金格差が大きいからこそ、サービス・商品の価格・品質に差が生じ、貧乏人は貧乏なりに安い商品・サービスを選んで生きていけるのである。しかし、日本では価格差が小さい。日本でも賃金格差が拡大しているが、社会システムが賃金格差に対応していない。だから、貧乏人は生活が苦しい。
貧乏人でも生きれる中国、中国おそるべし。

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